運命の一夜を越えて

でも本当に体は限界に来ていて、私は抵抗する気力も湧かない。

渉は座っている私の体をひょいっと持ち上げると、奥の部屋へと向かった。


奥の部屋には布団が敷いてあって、私はその上にそっとおろされる。

「今夜だけは・・力を貸してください。明日は大丈夫だから。」

まともに渉の顔を見ることができない。
あんなにひどい態度をとったのに・・・。

「彩」
「・・・?」
渉は私の方を見つめたまま、少しだけ黙ると、私の頬に大きくて熱い手を置いた。

そして、せつない目をしながら話をはじめる。