運命の一夜を越えて

つめたい水を飲み、深呼吸をする。

「体調は?」
「元気だよ。」
「そっか。何か作るよ、食べるだろ?」
渉はそう言って冷蔵庫を開けようとする。

「いらない。もう仕事に行くから。」
立ち尽くす渉をのこして私は寝室から着替えを取り出して浴室へ向かった。

きっと私がシャワーを浴び終える頃には渉は帰っているはずだ。

この部屋の合鍵は渡していないから、仕事へ私が行く前に帰らないとならないと頭のいい渉なら言葉にしなくてもわかるはずだ。

わざとゆっくりとシャワーを浴びて、そのまま髪を乾かしてセットし、お化粧までしてから私は浴室から出た。

「ほら」
浴室から出た私に渉はおにぎりを渡してきた。