運命の一夜を越えて

私は覚悟を決めてから振り向いた。

どんな表情で会ったらいいかわからないまま振り返った私が見上げると、すぐ近くまで歩いてきていた渉は険しい表情をしていた。

私が連絡をまともにとらなかったから怒ってるのかもしれない。
もう愛想をつかされたのかもしれない。

それでいいんだ。
それを望んでいたんだと言い聞かせても、渉の表情はやっぱり心に突き刺さる。

何をしても満たされず、何も感覚を感じられなくなっていた心が再び痛みだしたことに、私は少し懐かしささえ感じてしまうくらい、麻痺していたのだと思い知る。
でも、これでいいんだ。

私なんて傷つけばいい。
もっともっと痛みを感じればいい。

私がすべての痛みも悲しみも引き受けたい。
私だけでいい。

神様どうか・・・すべての痛みも悲しみも私にください。
彼をどうか・・・守ってください・・・。