運命の一夜を越えて

最近は仕事を終えるのは最終の電車にギリギリ間に合うか間に合わないかという時間。
今日も終電ギリギリまで仕事をして、私は会社を出た。

今の時期は私と同じようにぎりぎりまで仕事をしている社員は多い。

会社を出てから腕時計を確認すると今日も電車の時間ギリギリだった。

急ぎ足で駅の方に向かおうとすると「彩」と、低い声で呼ばれた。


その声に、私は動けなくなる。
前に進めなくなる。

足音が私の方に近づく。

ほかの誰でもない。

振り返らなくてもわかる。
その声が、その足音が、渉だと。