毎週末会っていたのに、私が仕事が忙しくて週末くらい一人でゆっくりとしたいというと、渉は何も言わずに応じてくれて、むしろ、玄関に差し入れをかけて帰ったりする。

渉との距離をとればとるほどに、私は心が痛んで、苦しくて、泣かないと決めているのに、泣きそうになる。

私が泣くのは間違っている。
泣く資格すらない。

そう思いながら唇をかみしめて、ギュッと両手を握りしめて、こらえる。

我慢しすぎていつの日からか、あんなに食べることが好きだったのに、燃費の悪い体で食べても食べても満たされなかったのに・・・食べる行為に対しての欲が全くなくなってしまった。

食べることくらいでは何も満たされない心が、何をしていても何かが欠けてしまって、満たされない感覚にただただどう対応していいかもがく。

仕事をしている時だけが現実を少し忘れさせてくれて、ちょうど毎年恒例のクリスマスに向けての忙しい時期と重なったのが不幸中の幸いだ。