運命の一夜を越えて

「ラーメン、うまかった?」
「うん。今まで食べた塩味の中で一番。」
「そりゃよかった。」
嬉しそうに笑う渉に、私は背中をつけて寄りかかる。

「俺、彩の食べてる姿見るとなんか、幸せになれるんだよなー」
「どういう意味?」
「なんか、鳥っていうかリスっていうか。」
「それ、ほめてるの?」
「ほめてるほめてる。髪の毛縛り上げて、腕まくりしてさ、もごもご口に運んだ食べ物咀嚼してる時の嬉しそうな幸せそうな顔見てると、あーこいつにもっとおいしい物食べさせたいって無性に思うんだよなー。」
「私と付き合ってるのって、親鳥の気分だからなの?」
私が少し不機嫌な声を出すと、渉は「違う違う」と言って笑った。

「ひとめぼれだな」
「見た目?」
「うーん」
「最低」
渉は私の腰に手をまわして、私の肩に自分の顎をのせた。