運命の一夜を越えて

髪を縛り本気で頬張る私に、渉は嬉しそうに微笑みながら満足そうに自分も大きな口でいくら丼を頬張った。

「これ、彩の実家に送ろうか」
渉は私の母と直接今でも連絡をよく取りあっていて、出張に行くと、その先から直接私の実家にもお土産を送ったりしてくれている。
「海鮮、苦手かな?」
気遣いながら決めた海鮮物の詰め合わせをレジに持っていく渉。
すかさず私が財布を出そうとすると、いつものように財布ごと取りあげて、渉は自分の財布からお金を出した。

いつも一緒にいるときはお金を出す渉。
その分、私は家に渉を招いたときにいい食材を用意したり、何か使えるもので返すようにしていた。

「それ、つけてくれてるんだ」
「え?」
渉から私の誕生日にもらったネックレス。
小さな天使のモチーフがついている。