運命の一夜を越えて

その悲しそうな顔がずるい・・・実にずるい・・・


私の中のちっぽけな良心がずきずきと槍で刺されるような感覚・・・


ラーメンに罪はない。
しかも本当においしい。

早くこの気まずい雰囲気を打破して次の一口をすすりたい衝動さえ感じる。

「うそ・・・おいしい・・・本当に・・」
私は認めたくはなかったその言葉を小さな声で、でも店主に聞こえるように言ってからすぐに次の一口をすすった。

やっぱりおいしい。

思わず緩む頬。