運命の一夜を越えて

そして、いよいよ私の実家に到着した。
なぜか自分の実家に帰ってきただけなのに、やけに緊張する・・・

渉は車を駐車場に停めると、すぐに残っていたコーヒーをぐいっと飲み干してから運転席を降りた。

後部座席からダッフルのコートを取り出して羽織ると助手席の私の方へ回ってくる。

ドアを開けるとすぐに私の荷物も持ってくれた。

すでに渉の手には紙袋があり、いらないと言った手土産を用意していたことにその時気が付いた。

「ありがとう」
「行こうか」
「うん」
渉にリードされて私は実家の玄関へ向かった。

「いらっしゃい」
田舎はかなり静かで、駐車場に車が停まるとすぐに音でわかる。
玄関を開けてすでに私の母が待っていた。