運命の一夜を越えて

どんどんと田舎町に入っても渉は全く動じることなく運転してくれた。
都会の道とは違って、かなり狭い道幅や分かりにくい場所もある。
でも、慣れた様子で運転していく。

「俺の地元もこんなもん。もっとひどいかも。」
なんて言いながら運転していった。

やっぱり、私も渉の地元に行ってみたい。

私は車から見える街並みを見ながらいろいろと思い出話をした。

小学生の時に学習旅行で行った美術館。
お祝い事があるときに通ったレストラン。
なくなったおじいちゃんが好きだった絶品のウナギ屋さん。

渉は私の話を嬉しそうに聞きながらハンドルを握っている。
走っている車なんてほとんどなくて、私が何か懐かしがるたびに、スピードを緩めてくれた。