運命の一夜を越えて

言葉にはならないいろいろな母の想いが何となくわかる。

でも、あえて言葉にしないのは母の思いやりだろう・・・

『明日気を付けてきなさいよ』そう言って母はすぐに電話を切った。
いろいろと準備が今からあるらしい。

通話を終えるとメールが届いていた。

『明日、やっぱりスーツかな』
相手は渉。私は少し笑いながら返事を返した。

『冗談やめて』
ド田舎にスーツ姿の人はあまりいない。
かなり目立つ。それに、実家までの距離を考えたらスーツなんて窮屈なだけだ。

『差しさわりない服にする。嫌いな食べ物はある?』
『手土産も不要!』

家で一人いろいろと考えて準備をしてくれていることが伝わる内容。

私はいろいろと考えるのを一度ストップして、自分の準備にうつった。