運命の一夜を越えて

私は味わいながら口の中のガトーショコラを飲み込むと、一口コーヒーをのんだ。

「お願いしていいの?」

口の中にほろ苦いコーヒーの味が残るなかで彼にそう伝えると、彼はぱっと表情を変えて
「もちろん!」と嬉しそうに返事をした。



自分でもストップがかけられない・・・。


その日の夜、私は母に電話をした。

母は大喜びで、明日の朝いちばんに買い物へ行かないとと張り切った。
そんな母に私は病気のことはまだ彼に打ち明けていないと伝えた。

母は私の言葉に一瞬黙ってから『そっか』と返事を返してくれた。

まだ付き合いたてということを言い訳のように告げると母は『そっか』と同じように返事をする。