まだ、過去の病気のことも、私の父のことも話していない。

私は少しの間黙ってしまった。

「・・・嫌だった?」
黙ってしまった私を不安そうに見る渉・・・。

「うんん。正直うれしいけど・・・でもいいのかなって。」
「なにが?」

いろいろだよ・・・。
親に会うことを私はそんなに簡単なことじゃないと思っている。
私のことを何も話せていないのに・・・。

長く一緒にいられないのに・・・

距離が近くなってしまう・・・

彼に言えない心の中でいろいろな思いが湧き上がる。