正式に付き合い始めた私たち。

次の週末には私自身も驚くような過ごし方が決まった。


というのも。

私が週末予定があることを伝えると、彼は金曜の夜、仕事終わりの私を車で迎えに来てくれて二人で簡単にディナーをすることになった。
私たちの会社はいちをフレックスタイム制を取り入れていて、時間にはある程度融通が利く。
私たちは二人で時間をあわせて早めに仕事を切り上げた。

今日も彼が事前に決めて予約してくれていたレストランで食事をしている。
やっぱり私と彼は食の好みが似ていて、今夜も今までで一番おいしいパスタと出合った。
お腹が満たされて、食後のデザートを待っている間。

「送ってく」
すべては彼の一言からはじまった。

「え?」
「え?じゃないよ。大変だろ。混んでるかもしれないし。」
「大丈夫だって」
「チケット、とったの?」
「まだだけど」
「じゃあ送ってく。帰りも迎えに行く」
「送り迎えしてもらうような距離じゃないし」
「ダメ」
言い出したら彼は簡単には主張を変えないことは何となくすでにわかっている。