運命の一夜を越えて

「・・・はい」

心の奥底から出てくるその言葉に、私は自分で言っておきながら涙があふれた。

どうしてだろう・・・

渉の前では我慢できない。

私の涙腺はこんなにももろかったのかと驚くほど、コントロールができない。



「よかったー」
そう言って渉はベンチに座ったままの私のことを抱きしめてくれた。

急に渉のぬくもりに包まれる。

あの日から・・・病院のベンチで渉の鼓動を聞きながらぬくもりに包まれたあの日からずっと・・この場所を求めていたのだと気づく。

このお日様のような香りのする、あたたかなぬくもりに包まれることを何より願っていたんだ・・・