運命の一夜を越えて

「大切にする。ありがとうございます。」
自然と敬語で話をしなくなっていた私たち。でも、心からのお礼をちゃんと伝えたくて思わず敬語になる。

「どういたしまして。」
「私からも。」
「え?」
私はずっとこのデート中に渡すタイミングをはかっていたものを、彼に手渡した。

「お礼の品です。」
「いいのに・・・気にしなくていいのに。・・でもうれしいから開ける」
そう言って嬉しそうに私から包装された箱を受け取ると、渉は丁寧にその包装をといていった。

「この包み紙もとっとくからきれいにはがすわ」
「やめてよ。そこはぶりぶりって破いちゃって。大したものじゃないし。」
丁寧にテープをはがしている渉にそういうと、渉は「ダメ。やだ。」と真剣な顔のまま続けた。

プレゼントしたのは名刺入れ。
「なにこれ、めちゃめちゃ好みのデザインじゃん!」箱を開けた瞬間の嬉しそうな顔に、私も思わず笑顔になる。