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「お待ちしておりましたスカーレット様」



私を出迎えてくれたのは、2日前の集会でも会った大魔女様に仕える者。
2日前と同じように「こちらへどうぞ」と大魔女様の元へ案内をしてくれる彼女。



「もうジェイド様もいらっしゃるの?」



知ってるかどうか分からないけど、気になって訊いてみたら一瞬だけ視線が交わった。
すぐに逸らされてしまったけど。



「ジェイド様はまだいらっしゃいません。どうやら遅れてくるそうです」

「そう」



遅れてくる……何かあったのかしら。

と言っても、私はジェイド様がどのような活動をしているのかさえ分からないんだけどね。



「ジェイド様が気になりますか?」

「え、あぁ…そうね。どの魔女にも顔も素性も割れていないみたいだし興味はあるわ」



昨日、連絡の取れる複数の魔女にジェイドという人物を知っているかと訊いてみたら全員口を揃えて「知らない」と言った。


大魔女様のご子息であるというのに情報1つ出てこないなんて不思議でしかなくて、怪しい…というよりも興味が湧いたの。

だから会うのが少しだけ楽しみだったりするわ。


遅れてくると聞いてマイペースな方なのか、それとも何か活動をしていてそれで忙しいのか気になっただけ。