「もう下がっていいぞ」
「はい。それでは2日後に」
「あぁ」
そうして大魔女様の部屋を後にし、私は集会の終えた会場を通りながら自分の屋敷へと向かう。
「ジェイド」
大魔女様のご子息、か。
嗚呼、帰ったら翡翠になんて言おうかしら。どんな顔をしたらいいんだろう。
翡翠は…なんて言うのかしら。
「え、結婚する…?」
「えぇ、大魔女様のご子息とね」
帰宅後、翡翠に話があると言って遠まわしに言うことなく、ストレートに本当のことを話した。
すると彼は一度目を見開いて驚いたものの、私が想像していた彼の反応と今の反応が違いすぎて…どうしたんだろうかと不安に思う。
ただ驚きすぎて言葉も出ない、というものなのか…それともまた別の何かなのか。
「……ぃゃ、」
「翡翠?」
「そっ…か…そうなんだ」
「…翡翠、」
「よかったね、相手が見つかって。それに大魔女様のご子息なんて玉の輿じゃん」
玉の輿か…そう思っちゃうわよね。