「よいだろう。では2日後にまたここに来い。私の息子に会わせよう」
嗚呼、一応現時点で考えて出した答えではあるけど、軽率に返事をしてしまったかもしれない。
でも、もう引くことはできないの。
翡翠の為なんだから。
「息子の名はジェイドだ」
「ジェイド…」
……綺麗な名前ね。
「私の息子なら貴様のことをすぐに気に入ってくれるだろう。何も心配はいらない」
私のことをすぐに気に入ってくれるなんてそんな奇跡のようなことはないと思うのだけど、
大魔女様のご子息ならそれはお綺麗なお顔をしてるんだろうなと思った。
こんな私がそんなご子息の隣に立ってもいいんだろうか。
いや、でも大魔女様から提案してきてくれたんだし…。
「マリーよ。心配するな」
「…っ、」
「全てうまくいく。すべて丸く収まる」
「……ぁ、その…」
「分かったな、マリー」
「は、はい」
初めて大魔女様に名前を呼んでもらった。
こんな光栄なことってあるんだろうか。もしかしたら私は今日が命日かもしれない。
それほどまでに嬉しい。



