「大魔女様がお待ちです。どうぞ中へ」


私をここまで案内してくれた彼女はそう言うと、大きな扉を開き、私は部屋の中へと足を踏み入れた。

大理石でできた床はこれでもかというほどピカピカで、鏡のように反射しそうなほど。


顔を上げて奥を見つめれば…まっぐす敷かれたレッドカーペットの先に王が据わるには相応しい椅子に深く腰掛けた大魔女様がいた。


この距離にいてもすごい圧というか、魔力の差を感じる。

私じゃ到底かなわないほどの膨大な魔力。


「ようこそ、我が城へ」

「あの…何故、私を」

「ここまで案内した私の使いから聞かなかったか?」

「話がしたい、ですか…?」

「あぁ、そうだ。私は貴様と話がしたいのだ」


どうやら本当に私と話がしたかったらしい。

けど、この違和感は何?本人から今、確かに聞いたのに何か違和感が残ってる。


「ここまで来い。そして隣に座れ」

「はい」


大魔女様の仰せのままに近くまで行き、彼女の隣に用意された椅子に恐れ多いと思いながらもゆっくり腰を下ろした。