緋色の魔女に恋をした




5000年以上も生きているというのにあの美しさを保つなんて…一体どれだけの魔力を持っているのか計り知れない。

戦闘においても彼女に勝てる魔女などいないだろう。

挨拶が終わり、情報共有…という名の魔女たちのお茶会が始まる。


沢山のスイーツに瑞々しいフルーツや一口サイズのミニサンドウィッチなど、女性が好みそうな食べ物がズラリとバイキング形式で並ぶ。


私もフルーツとサンドウィッチを少々皿に盛りつけて、人気の少ないテラスで月を眺めながらフルーツを口に運ぶ。

水分とフルーツ特有の甘みに酸味、それらが口の中で混ざり合い広がっていく。


「月が綺麗ね」

“今日の満月より美しくて綺麗だよ”

「…キザなこと言うから思い出しちゃったじゃない」


不覚にも、ネックレスをつけてもらった時に言われた言葉を思い出してしまい、眉間に皺を寄せた。


言われた言葉を消し去るように…普段はこんな飲み方なんて決してしないけど、紅茶を勢いよく飲み干した

そんなとき、テラスの扉が開き…


「スカーレット様、少しよろしいでしょうか?」


魔女…ではなく、スーツを身に纏った女性が声を掛けてきた。