昔からそうだった。
飄々としているのに核心をついたことを言う人だという認識があった。
それでもその言葉にどこか救われた自分がいるのを感じている。
真琴はクッキー缶を持って蒼人の部屋の扉をノックした。
「まこ」
「ごめんね、あおくん。今大丈夫?」
身体を半身引いて部屋へと促してくれる蒼人。
それに従い中へ入った。
「どうした?体調は?」
「うん、平気。勉強中?」
「ん?ああ、まぁ」
少し歯切れの悪い蒼人の返事。
気になったものの、あまり長居をして邪魔するわけにいかない。
真琴は手に持っていたものを蒼人に差し出した。
「なに、クッキー?」
黙って差し出されたものを受け取るとふたを外す。
そこにはたくさんの色とりどりな封筒が入ってた。
「あおくん宛のラブレター」
驚いたように蒼人が顔を上げた。
ずっと渡したくなくて手元に置いていた。
でも自分がこの想いを告げようと決意したとき、彼女たちの想いも届けないとフェアじゃない。



