ふう、と一つため息を吐き、そのまま布団に入り込む。

雨のせいか気温が低かった今日。
布団がいつもより温かく感じられる。
それは決して蒼人のぬくもりではないのに、真琴はうっとりと目を閉じた。



『まこがあおくんのおよめさんになったげるっ』

『まこ、俺とまこはけっこんできないんだよ』

『どおして?おとうさんとおかあさんはけっこんしてるよ』

『でもだめなんだって』

『やっ…やだ、ふぇっ…なんでっ、やだぁあ…っ』

『泣かないで、まこ。大丈夫だから』

『ひっく…、なんで…、だいじょぶ…?』

『お嫁さんはむりでも、俺はまこの兄ちゃんで、まこはおれの妹だから』

『…だから?』

『だから、ずっと一緒にいられる』

『ずっと…?』

『そう』

『ずっとずっといっしょ?』

『約束。ずっと一緒だよ』