バスを降りると見なれない街。

待合所には、8月の終わりの向日葵みたいな体勢で眠るおじいさん。

カモメが私を呼んで、それに応えて走りだす。

波の音が蝉の声を打ち消し、太陽が私の麦わら帽子をこがそうとする。

ジリジリと熱い日差し。

陽炎が私の目の前に広がった。