「まだパーティーが始まったばかりなのに、疲れちゃったわ」

スイーツを一口食べ、華恋はため息をつきたくなるのを堪える。この世界は誰が見ているかわからない。ため息など容易につけないのだ。

「こういう時は、着飾った女性を見るのが一番楽しいわよね」

少しイザベラと話した後、華恋はパーティー会場で微笑みながら談笑する女性たちを見つめる。どの女性も美しいドレスに身を包み、宝石で着飾っている。美しい大人の女性を見るたびに、華恋は胸を高鳴らせてしまうのだ。

「あなた、イケメンには興味ないの?今日のパーティーにも集まってるわよ」

「ええ、興味ないわ」

イザベラの問いに華恋は即答する。華恋はどんなイケメンと噂される人をパーティーで見かけても、何も感じることはなかった。むしろ、女性にしか目がいかないのだ。

うっとりとした目で女性を見つめる華恋を、イザベラはジッと眺めていた。

そして、華やかなパーティーから数日後、華恋は習い事や勉強で忙しい日々が戻っていた。