本音なのかお世辞なのかわからない言葉が飛び交う。パーティー会場ではいつもこうだ。取り引きがうまくいくよう、自分の立場が優位になれるよう、心にないことも大人は平気で言う。華やかに見えて、この世界は冷たくて残酷だ。

「華恋、久しぶり」

知らない大人に囲まれ、華恋から作り笑いが消えかけた刹那、声をかけられる。横を見ればシンプルな緑のドレスを着た白人の女の子がいた。金髪の髪に豪華な髪飾りをつけているが、話しているのは日本語だ。

「イザベラ、久しぶり」

イザベラ・ブーケはフランス人で、彼女の親も会社を経営している。花園グループが取り引きしている会社の一つのため、招待されたのだろう。

「あなたとは毎回パーティーで一緒になるわね」

「ええ。おかげでこうして仲良くなれたわけだけど……」

七歳らしかなぬ上品な口調で話しながら、二人は大人たちから離れてパーティー会場に並べられた料理を食べ始める。