「大変だと思うけど、頑張ってね。私は二人の味方だからいつでも頼って」

イザベラに応援されながら、華恋と萌音はファッション関係の会社をオープンさせた。二人で手を取り合って頑張っているうちに少しずつ会社は大きくなり、お金も貯まっていく。

「何だか夢みたいだね」

「ええ。でも、夢じゃないわ」

フランスに来て一年後、華恋と萌音はウエディングドレスに身を包んで祭壇の前に立っている。教会にはイザベラや会社の人たちが祝福しに来てくれている。

「健やかなる時も、病める時も、互いに愛を誓いますか?」

神父さんの問いに、二人は「誓います」と答える。これから家族として歩いていくのだ。夢がやっと叶い、華恋は幸せで泣きそうになる。

互いの薬指に銀の指輪がはまり、唇が軽く重なる。拍手が起こる中、二人は照れ臭そうに笑っていた。

それから始まった生活は、あまりにも幸せすぎるものだった。仕事のことで喧嘩をしてしまう時もあったが、すぐに仲直りをしてデートをする。そんな毎日が楽しくてたまらない。