「お父さんたちに言っちゃった。萌音と付き合ってること。でも反対されてて、このままじゃ無理やり別の人と婚約させられちゃう」
「そんな……」
華恋の言葉に、萌音は泣き出しそうな顔を見せる。大丈夫、不安になんかさせないと華恋は萌音の手を取った。
「だから、高校を卒業したら一緒に逃げましょう。フランスに二人で行って、そこでずっと一緒いよう。私、あなたがいれば何もいらないの。あなたさえいればいい。だから、私と結婚してくれませんか?」
「……はい」
未来の約束をしたその日、婚約指輪も素敵な花束もなかった。それでも幸せで、二人は見つめ合って何度も微笑む。
二人の指には、透明な婚約指輪が嵌められた。
高校卒業後、華恋と萌音は約束した通りに絶縁さながらにフランスへと旅立った。この日のためにフランス語を二人で勉強し、しばらくはイザベラのお世話になることになった。
「二人で駆け落ちねぇ〜……」
ニヤニヤするイザベラに、「からかわないでよ」と華恋は顔を真っ赤にする。しばらくしてイザベラが「式はいつ挙げるの?」と訊ね、萌音が答える。
「実は、二人で企業しようって決めていて。フランスへ来る前に準備は済ませてあるんです。お金が溜まり次第、結婚します」
「そんな……」
華恋の言葉に、萌音は泣き出しそうな顔を見せる。大丈夫、不安になんかさせないと華恋は萌音の手を取った。
「だから、高校を卒業したら一緒に逃げましょう。フランスに二人で行って、そこでずっと一緒いよう。私、あなたがいれば何もいらないの。あなたさえいればいい。だから、私と結婚してくれませんか?」
「……はい」
未来の約束をしたその日、婚約指輪も素敵な花束もなかった。それでも幸せで、二人は見つめ合って何度も微笑む。
二人の指には、透明な婚約指輪が嵌められた。
高校卒業後、華恋と萌音は約束した通りに絶縁さながらにフランスへと旅立った。この日のためにフランス語を二人で勉強し、しばらくはイザベラのお世話になることになった。
「二人で駆け落ちねぇ〜……」
ニヤニヤするイザベラに、「からかわないでよ」と華恋は顔を真っ赤にする。しばらくしてイザベラが「式はいつ挙げるの?」と訊ね、萌音が答える。
「実は、二人で企業しようって決めていて。フランスへ来る前に準備は済ませてあるんです。お金が溜まり次第、結婚します」


