「男性を好きになれないってこのグループをどうするつもりだ!!跡取りを産んでもらわないと困る!!」

「そうよ。同性愛だなんてそんなもの気のせいでしょ。この人たちを見たらきっと何か変わるわ」

理解はしてもらえない、そう覚悟はしていたがこのように言葉をぶつけられると傷付くものだ。華恋は覚悟を決め、立ち上がる。

「私は婚約なんてしません。私は、私の愛する人を選びます」

ずっと一緒に過ごすうちに、萌音に対して華恋はただの恋を抱かなくなっていた。恋よりもずっと温かくて、煌めいているもの。どんな人よりも萌音が大切に思えるこの感情が愛というものだと、いつからか華恋は気付き、嬉しく想っていた。だからこそ、この愛を手放せない。

家を飛び出し、華恋は萌音に電話をかける。そして公園に来てほしいと言い、走って公園へと向かった。

「華恋ちゃん、どうしたの急に」

先に公園についていた萌音が戸惑った声を出す。華恋は萌音を抱き締め、「愛してる」と言った。少しして、萌音からも「私も愛してるよ」と恥ずかしそうに返ってくる。