「この四人と近々、ご対面させたいのよ。話をして相性のいい人を選びなさい」

母の言葉に、華恋はスカートを握り締める。二人は御曹司との婚約に盛り上がっていて、話を聞こうとはしない。

華恋の頭に萌音が浮かぶ。自分にはもう心から大切に想っている恋人がいるのだ。勝手に決められるわけにはいかない。萌音を傷付けるなんて、ありえないのだ。

「お父さん、お母さん、話があるの」

何としてでも聞いてもらわなばならない。華恋はスウッと息を吸い、気持ちを落ち着かせてから、輝いた目で自分を見つめる二人に言う。

「私、もうすでにお付き合いしている人がいるの。その人を裏切ることなんてできない。それに、私は男性を好きになれない。今お付き合いしているのも女性。私は同性愛者だから、一生男性を好きになることなんてないわ」

誤魔化したりせず、自分の思いや恋愛のことを話せた。両親はポカンと一瞬マヌケな顔を見せた後、「ちょっと待て!」と言い出した。