「私の国では同性婚ができるし、同性愛に理解ある人も多いと思う。でも日本はまだまだ差別が残っている国。萌音ちゃんの気持ちを考えて行動してあげて。想いを伝えるとか、そういうことも含めて……」

イザベラに言われ、華恋はハッとして目を見開く。恋というものに浮かれ、もしも萌音と恋人同士になれたらこんなことをしたい、と夢を見ていたが現実は恐ろしいほど厳しい。

「萌音が差別される……」

それは想像するだけで恐ろしいことだ。体が震え、悲しくなってしまう。

そのため、華恋はこの気持ちを隠して接することにした。ただの友達としていなければならない、それは辛いことだったが平和に暮らしていくにはそうするしか道はないように思えた。

「華恋ちゃん、モデルにスカウトされて雑誌の表紙になったの!?すごい!!」

自分のことのように喜んでくれる優しい萌音に、華恋は胸を高鳴らせながら「そんなことないわよ」と微笑む。

萌音に気持ちを悟られないよう、必死で演じながら……。