そう萌音から言われた刹那、華恋の胸がキュンと音を立てる。初めての鼓動に華恋は自分の胸を押さえる。萌音を見るたび、何故かドキドキしてしまうのだ。

「それって恋ってやつなんじゃない!?」

イザベラに相談したところ、そう嬉しそうな声で返される。華恋は「恋!?」とお嬢様らしからぬ大声を出してしまい、慌てて口を手で押さえる。

「恋……。私が萌音に……」

もともと男性に興味がなく、イケメンに何を言われようがされようが何も感じなかった華恋は、自身が同性愛者なのではないかと疑っていた。その疑いは本物になってしまった。

「萌音……」

萌音の笑顔を思うだけで、華恋の胸が高鳴っていく。初めて好きになった人が萌音。それは華恋にとって心から嬉しいことだった。しかし、頬を赤く染める華恋に対し、イザベラは少し厳しげな目を向けた。

「華恋、夢ばかり見ていてはダメよ。現実を見て」

そう言い、華恋の頬から赤みが消えた後、イザベラは続ける。