好きな子が自分の服を着る……。これってかなりヤバいよな!?

美紅がシャワーを浴びている間、僕はずっと理性を保てますようにと神様に祈っていた。それからしばらくして、リビングのドアが開く音がする。

「シャワーありがとう」

美紅がそう声をかけてきて、僕はゆっくりと美紅の方を見る。そして固まった。美紅はタオル一枚しか身に付けていなかった。僕は慌てて目を手で隠す。

「えっ!?ちょっ、ちょっと!!服!!服は!?」

そうプチパニックになる僕を美紅は抱き締めてくる。柔らかい体が触れ、僕の胸が高鳴っていく。ヤバい、ヤバい……!

「静(しず)、私ね……静のことが好きなの……」

だから……と美紅はさらに体を密着させてくる。美紅が好きと言ってくれたこと、両想いだったことは嬉しい。でも……でも……いきなりこんなのは……!!

僕は美紅の肩を押し、美紅を自身から離す。そしてリビングのドアを開けてその場に座り込んだ。フローリングが熱った体を冷ましてくれる。少しずつ心も落ち着いていった。