ピケは、イネスから聞いたガルニールの境遇を思い出し、彼女がお願いするのも無理はないと思った。
ピケは敗戦のつらさを知っている。
ガルニールの本当の気持ちを正しく理解できなくても、想像することはできた。
一族のほとんどが戦死し、使い物にならないからと国へ戻されたガルニールは、心苦しい思いをしたのだろう。
そんな時、戦争で怪我を負い、目を覆いたくなるような手術の時にも手を握って励ましてくれた天使の存在を思い出し、彼女が信仰しているテト神教にのめり込んでしまったのは、致し方ないことだったのかもしれない。
(救いは大事。私にはノージーが、ガルニール卿にはテト神教が必要だった)
それだけだったら、良かったのだ。
イネスのことを女神テトと同一視し、同じ運命を辿らせようとしなければ、こんなことにはならなかった。
そのきっかけを、ピケが知る術はない。
すでに彼は捕らえられ、侍女であるピケはもちろん、関係者であるイネスでさえ顔を合わせることは叶わないだろう。
だけど、もしかしたら、誰か一人でも彼の心の闇に気付いていたら。家族や友人でなくてもいい、テト神教の信者でもいいから、気付いて話を聞いてあげていれば……とピケは思わずにいられない。
ピケは敗戦のつらさを知っている。
ガルニールの本当の気持ちを正しく理解できなくても、想像することはできた。
一族のほとんどが戦死し、使い物にならないからと国へ戻されたガルニールは、心苦しい思いをしたのだろう。
そんな時、戦争で怪我を負い、目を覆いたくなるような手術の時にも手を握って励ましてくれた天使の存在を思い出し、彼女が信仰しているテト神教にのめり込んでしまったのは、致し方ないことだったのかもしれない。
(救いは大事。私にはノージーが、ガルニール卿にはテト神教が必要だった)
それだけだったら、良かったのだ。
イネスのことを女神テトと同一視し、同じ運命を辿らせようとしなければ、こんなことにはならなかった。
そのきっかけを、ピケが知る術はない。
すでに彼は捕らえられ、侍女であるピケはもちろん、関係者であるイネスでさえ顔を合わせることは叶わないだろう。
だけど、もしかしたら、誰か一人でも彼の心の闇に気付いていたら。家族や友人でなくてもいい、テト神教の信者でもいいから、気付いて話を聞いてあげていれば……とピケは思わずにいられない。



