そのとき、いちばん大きい花火が上がった。 横を通り過ぎる人が空を見上げて、感嘆の声を出す。 わたしの恋は大きい花火みたいに散った。 けど、咲かせるために、何度散っても諦めない。 「…………いっくん、」 だいすきだよ。 だれかのものになっても、気持ちは変わらない。 だって、すきだから。 だいすきだから。 瞳から大粒の雫があふれる。 それは頬を伝って、廉の服を濡らしていく。 「……胡桃のあほ」 優しい廉は、きらいじゃないよ。