そのとき、いちばん大きい花火が上がった。
横を通り過ぎる人が空を見上げて、感嘆の声を出す。
わたしの恋は大きい花火みたいに散った。
けど、咲かせるために、何度散っても諦めない。
「…………いっくん、」
だいすきだよ。
だれかのものになっても、気持ちは変わらない。
だって、すきだから。
だいすきだから。
瞳から大粒の雫があふれる。
それは頬を伝って、廉の服を濡らしていく。
「……胡桃のあほ」
優しい廉は、きらいじゃないよ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…