ガチャ。
3月といえど、外はまだ寒かった。
寒いのが嫌いな私と支恩は、観覧車を降りてそそくさと帰ってきた。
もちろん、寒いからという理由だけではなかったけど。
そう言えば、今晩がここの寮で過ごす最後の日だ。
なんか、寂しいな…。
「ねえ、彼女さん。俺を温めてくれませんか?」
か、かわいい!!!
「い、いいです…よ?」
思いっきりハグをした。
「あったまった?」
「ちょっと彼女さんが欲しくなったので、僕のベッドに連行しますね。」
お姫様抱っこされて連れていかれた。
支恩の部屋は引越し準備がされていて、元々あったものしか部屋にはなかった。まあ、私もなんだけどね。
「制服のままっていうのもいいね。」
「悪く、ない。ね。」
私はそう言った。だって、支恩の学ラン凄くかっこいいんだもん。
「ねえ、支恩。後で第2ボタンちょーだい。」



