「……何で、忘れちゃってたんだろう……」

全ての人の心を救う譜面があると教えてくれたのは、自分の亡くなった両親だった。心ない言葉で傷付け、そのまま永遠の別れとなってしまった。ミラの目から涙がこぼれ、止まらなくなってしまう。

ミラだけでなく、リアたちも泣いていた。みんな思い出したのだ、自分の失った悲しい記憶を……。

ミラたちはあてもなく彷徨い、独りで戦い続け負けた。そして歌を、音楽を愛する仲間と出会い、航海を始めることとなった。

ミラたちは船へと互いに体を支え合いながら歩く。そうでないとまともに歩けなかった。泣きながら歩き、全員で甲板に座り込む。

「この譜面、僕らが失った悲しい記憶だったんだ……。思い出したくなかった……」

レイが泣きながら言う。しかし、カイルは「違うよ」とレイの頭を撫でながら言った。

「僕たちは記憶を思い出したことによって、新しい夢へと歩いていける。諦めてしまった夢を取り戻すチャンスなんだよ」