世の中に名前が知られている海賊たちの中で、最も友好的で優しい海阪として有名な船があった。その名は「music wonderland」。音符の書かれた船で世界を駆け回っていく。

水色の長い髪を揺らし、海賊という雰囲気を全く感じさせない白いワンピースを着た船長のミラは、買い出しを済ませて船に戻っていた。船長室でぼんやり海を眺めていると、ノック音と共にドアが開く。

「ミラ、航路はこんな感じでいいかしら？確認してほしくて」

ピンクの髪をポニーテールにした美しい女性が入ってくる。航海士のルカーナだ。

ミラはルカーナの持ってきてくれた航路図を見る。どこも問題はない。彼女のたててくれる航路はいつだって正確だ。

「問題ないよ。いつもありがとう、ルカーナ」

ミラが微笑むと、ルカーナも安心したように笑う。そして船長室に置かれたソファに腰掛け、胸にそっと手を置いた。

「実は、いつも以上に緊張していたの。だっていよいよあの「夢の島」に行くんだから……」

ミラたちは、南にある「夢の島」に眠る宝物を航海を始めた頃から目にしたいと思っていた。しかし、「夢の島」の場所がわからず、航海をしながら情報収集を重ねていたのだ。やっと全てのピースが揃い、ミラたちはその「夢の島」へと向かう。