「ちょっと出てくる。1時間で戻るから」
携帯と車の鍵だけを持って、俺は部屋を出た。
「あー、常務」
後ろから秘書達の声が聞こえたが、俺は足早に駆け出した。
車を飛ばし、ホテルの役員駐車場。
入り口を抜けて、ホテルの中へと入った。
新しくしただけあって、綺麗なロビー。
明るくて人も多い。
えーっと、栞奈は・・・いた。
相手は、少し年上だろうか、優しそうで真面目そうな男性。
向かい合って座っている栞奈も、にこやかだ。
「あんな笑顔を見るのはいつぶりだろう」
俺の前では泣いたり怒ったり、忙しかったからな。
本当は見合いの席から栞奈を連れ去ってしまおうかなんて思ってここまで来た。
でもやめた。
あの笑顔を見れば、俺にはその資格がないような気がした。
しばらく見ていた。
楽しそうに会話し、屈託なく笑う栞奈。
少し前まで、すべて俺の手の中にあると思っていたのに・・・
いつの間にか、俺の腕をすり抜けてしまっていた。
はあー。
今の俺は、とんでもなく情けない顔をしているんだろうな。
そのまま声をかけることもなく、その場を去った。
仕事に戻っても、栞奈の顔が頭を離れない。
いくら忘れようとしても、一緒に過ごした楽し時間だけが思い出される。
もう終わり。
栞奈は他の男のものになってしまう。
どれだけ言い聞かせても、心が追いつかない。
ウジウジウジウジと悩んで・・・
プチッ。
俺の中で何かが切れた。
最後にもう一度ぶつかってみよう。
ダメでも、恥をかいても、このまま一生悔やむよりはいい。
俺は急ぎの仕事を片づけると、栞奈の実家に向かった。
携帯と車の鍵だけを持って、俺は部屋を出た。
「あー、常務」
後ろから秘書達の声が聞こえたが、俺は足早に駆け出した。
車を飛ばし、ホテルの役員駐車場。
入り口を抜けて、ホテルの中へと入った。
新しくしただけあって、綺麗なロビー。
明るくて人も多い。
えーっと、栞奈は・・・いた。
相手は、少し年上だろうか、優しそうで真面目そうな男性。
向かい合って座っている栞奈も、にこやかだ。
「あんな笑顔を見るのはいつぶりだろう」
俺の前では泣いたり怒ったり、忙しかったからな。
本当は見合いの席から栞奈を連れ去ってしまおうかなんて思ってここまで来た。
でもやめた。
あの笑顔を見れば、俺にはその資格がないような気がした。
しばらく見ていた。
楽しそうに会話し、屈託なく笑う栞奈。
少し前まで、すべて俺の手の中にあると思っていたのに・・・
いつの間にか、俺の腕をすり抜けてしまっていた。
はあー。
今の俺は、とんでもなく情けない顔をしているんだろうな。
そのまま声をかけることもなく、その場を去った。
仕事に戻っても、栞奈の顔が頭を離れない。
いくら忘れようとしても、一緒に過ごした楽し時間だけが思い出される。
もう終わり。
栞奈は他の男のものになってしまう。
どれだけ言い聞かせても、心が追いつかない。
ウジウジウジウジと悩んで・・・
プチッ。
俺の中で何かが切れた。
最後にもう一度ぶつかってみよう。
ダメでも、恥をかいても、このまま一生悔やむよりはいい。
俺は急ぎの仕事を片づけると、栞奈の実家に向かった。



