コイノヨカン

「栞奈」
台所の片付けを終えた母さんに呼ばれた。

「何?」

「ちょっと座って」
2人分の紅茶をいれ、母さんも座った。


「あなた、渉さんとどうする気なの?」

「どうするって・・・」


「このまま続くとは思ってないでしょ?」
「それは、まあ」

「今の仕事も辛いんじゃないの?」
「・・・・」

母さんだって、私がどんなにがっんばって今のところに就職したか知っているはずなのに。
何でそんなこと言うんだろう。

「渉さんはいい人だと思うのよ」

うん。

「でも環境が違いすぎる。きっと後悔する日が来るわ」

「交際に賛成してはくれないのね?」

「ええ。父さんも大反対しているし」

「父さんは誰を連れて来ても反対でしょ?」

「栞奈」

分かってる。
父さんがどんなに私を大切に思って愛してくれているか、分かっているけれど・・・


「早いうちが良いわ」

母さんの言葉に、私は何も言えなかった。