「今日はありがとう。」


「こちらこそ。仕事終わりに連れまわしてゴメン。ゆっくり休んでね。」


「そこまで疲れてないよ。大丈夫。」


「そう?だけど最後の方、元気ないような気がして。」


浩くんの観察眼はすごい。
いつも通りに話をしていたはずなのに。


「そんなことないよ。でもちゃんと休むね。心配してくれてありがとう。」


「なんかあったら話してよ。聞くから。おやすみ。」


「うん。おやすみ」


手を振って浩くんが帰っていく姿を見送った。


気がついてくれるのは嬉しい。
心配してくれるのも嬉しい。


でもその行動が私を勘違いさせるんだ。
もしかしたら私だけに向けてくれている優しさなんじゃないかって。