就職先は父の息のかかった所に決められていた。
それを知る人も少なからずいる。
だから、必要以上に私には近づかないような雰囲気が出来上がっているんだ。
まぁ、茜先輩はそんなのお構いなしに話しかけてくれるんだけれどね。


それでも今の生活に楽しさを覚えていた。


そして私の26歳の誕生日。
無理やり考えないようにしていた父から電話が来た。


すべては来年の誕生日に向かって動きだしている。


恋人もいないのだから私には父の行動を止めるすべを知らない。


ただ心の中で悪魔とよび、悪態をつけることしかできなかった。


父は私がこうなることを予測して自由を与えていたんじゃないかな。