コトンと私の目の前にコップが置かれる。
目の前には宮くんは私服にお盆を持っている姿はミスマッチで笑えてくる。


「ちょっとは元気出るかと思って。いつもこれでしょ。」


「ありがとうございます。」


わざわざ私のために用意してくれたカフェラテ。


いつもの味が口の中に広がって安心する。
もう一度、ありがとうございます、とつぶやいた。


グラスから目を離し宮くんの方へと視線を上げると宮くんと目が合う。


ずっとこっちを見つめていたのかな。
私に微笑みをくれる。
さっきまで堅い声とは打って変わった表情に安心する。


このままお金だけ払えば帰れるかなって思ってみたり。
もちろん、そんなことはあり得なくて。