現に宮くんは気付いていないみたいだし。
急に現れた下田さんに驚いる。


そうだよね。普段の生活の中で一般人にこんなバカ丁寧な態度をとる人いないから。

宮くんよりも数歩前に出る。


「潤様、そちらの方はもしやお約束に関係のある方ではございませんか。」


「違いますから。行きつけの店の方です。たまたま会っただけです。」


もっと早く時間に気が付けたら下田さんに見つからなかったのに。


「そうでしたか。しかしながら、一応報告はさせていただきます。約束の日までに条件を満たす可能性があるということですからね。」


終始落ち着いた様子で話しを続ける下田さん。
少し口調が強くなっている私とは違う。
さすが、と感心しながらもどうやってこの場を切り抜けるべきかを考える。