軽い朝食をとって指定された場所に指定された時間につくように余裕をもって家を出る。


全て予定通りの時間にその通りの挨拶やら会食やらをこなしていく。


こんなにも台本通りに淡々と進むなんて味気ない。


四六時中笑顔を浮かべて、たまに社交辞令を述べて、行儀よくして時間がたつのを待っていればいい。


ホテルの高級さが堅苦しい形式ばった雰囲気を増長させている。


「潤、今日はこれで終わりだ。来週のことだが、藤堂君に会ってもらうからな。あと2,3ヶ月もしたら平日も開けてもらうかもしれない。」


私に口をはさむ暇さえ与えずに話を進めていく悪魔。


待ってよ。納得のいかないことばかりが話される。
悪魔と約束なんかした私が悪いけれど、あまりにも約束が違いすぎるじゃないか。