「そんなことないですよ。いろんな話をしてくれるので、僕も楽しいですし。」


「言葉だけ拾うとホストみたいですね。」


女の子が喜ぶような言葉を簡単にこぼしちゃうんだから。


店員さんを眺めているとみんな顔がいい人ばっかり。
動作も綺麗だしどうやってスタッフを選んだのか知りたいくらいだ。


「心外ですよ。そんなつもり全くなのに。」


くだらないやり取りをしながらも宮くんの手は動きを止めることなくそつなく仕事をこなしている。


「そういえば、なんか悩みでもあるんですか。」


え?
何気なくされた質問にドキッとする。
心当たりがありすぎて動揺を隠せている気がしない。


「最近、ものすごい無表情ですよ。」


見られていたんだ。てか、無表情って。
普段の私ってもっと笑っているのかな。