「話したいことってなに。」


「大したことではない。」


「でも、それを言うために、わざわざここに呼んだんでしょ。」


「まぁ、そうだな。」


そういうと1口手元のお茶を飲んだ。


「今まで苦労させて悪かったな。いろんなことをしておけば、潤も将来困ることがないと思っていた。もっと他のやり方があったかもしれないのにな。」


突然の謝罪の言葉。
どう受け止めればいいのか分からない。


悪魔が吐き出す言葉にはいつものような覇気がないように感じられる。


「潤、幸せを見つけたか。」


「うん。幸せだよ。」


「そうか。前はそんな表情もしなかったもんな。」


いたって真面目な表情をしているつもりなのに、悪魔にはどう映っているのだろう。


悪魔は浩くんの方に向き直り頭を下げる。


「可愛げのない娘かもしれんが、どうか、これからもよろしく頼みます。」


私はそんな悪魔と焦っている浩くんを交互に見ていた。