「とりあえず食べる。」


急にそう言うと料理を一人で黙々と食べ始めた。


私も浩くんに目配せして食べ始める。


なにから話し出そう。
藤堂さんとはなにもなかったということ。
もう私は悪魔との条件に該当する人を見つけたこと。
そしてそれが浩くんであること。


なにをとっても悪魔にとっていいことではない。
それでも伝えるために今日はここに来たんだ。


食事を終え、再び向き合う。
相変わらずだんまりを決め込む悪魔。


このままでは埒が明かない。
そう思って口を開こうとした。


「私から先にお話をさせていただいてもよろしいでしょうか。」


一番先に声を発したのは浩くん。
しっかりした声で言葉を発する。


悪魔は促すように頷きはするものの、言葉を発しない。