「なんとなく、その答え想像してました。今日、一緒に話てる雰囲気とかから。」


「そうですか?」


「はい。ちゃんと自分を持っている人だと思います。」


藤堂さんの中の私の方がすごいことになっている。
自分を持っているなんてありえない。
悪魔に歯向かうことでしか決断できないのに。


「私はそんなすごい人ではないと思いますよ。」


「お互いにお互いのことを過大評価してるってことですかね。なんか面白いですね。」


そう言うと笑いながら食後のコーヒーに手を伸ばした。