確かに私に彼氏や婚約者がいるとなったら、お見合いのような席はなくなるだろう。
だけれど、私は悪魔や下田さんに言ったことはない。
下田さんは気がついているけれど。


黙ったままの私を一瞥して口を開いたのは浩くんだった。


「やっぱね。僕じゃ役不足か。」


「そんなことない。」


「でも相談すらしてくれない。それだけ潤にとって頼りないってことだよ。」


語気を強めて高ぶった感情をぶつけるように話す浩くん。
その姿は普段の穏やかな話方とはかけ離れていた。

怒りと悲しみを混ぜたなんともいえない表情を直視することができない。

俯いたまま、ごめんなさい、とつぶやいた。